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開店休業の記

今日の本

落窪物語

 『落窪物語』(花形みつる:編訳・絵 偕成社)、読了。

 平安中期に成立されたとされ、『枕草子』でも触れられているという物語を、児童文学作家が今風の語り口で親しみやすく仕立て直したもの。出版社によると、対象は小学校高学年からとのこと。

 どんなお話かと言うと、和風シンデレラ、ですね。こういうストーリーは古今東西、共通なんだとわかります。

 ヒロインのお姫様を助けるのは魔法使い、じゃなくてお姫様の侍女。「あたしが、ひめさまを幸せにしてみせます!」という彼女の語りで物語は進行します。その口調は完全に現代(ちなみに出版されたのは去年)。「ポーカーフェイス」とか「貴公子ランキングナンバーワン」とか、そんな言葉、平安時代にあるかい!(笑)

 ポップです。古典文学、なんていうとちょっと構えてしまいますけど、いいんですよ、こんな感じで。マジメに堅苦しく(退屈に)原典と付き合うより、まずは楽しく親しめることが大事。わたし、けっこう、こういうノリ、好きです。

 要所要所にイラストで、この時代の用語や衣装、習慣などを説明してくれているところもナイス。