
『哺乳類の生物地理学』(増田隆一:著 東京大学出版会)、読了。
生物地理学とは何か。本書第1章の説明によれば、生物の種の分布や種の集団の移動の歴史を探求する学問分野とのことです。
進化による環境への適応と分化、地理的な境界のよって異なる分布、固有種、糞を始めとする動物の痕跡を利用した分析、都市動物、外来種、この学問分野の課題、といったテーマが各章に並んでいます。
著者は実際に動物地理学を専門とする北海道大学の教授です。出版元も大学。ですが、研究者が読むような専門書ではありません。現役の研究者の書いた本ということもあってか、文章はややお堅い感じですが、まだこの分野についてよく知らない人へ向けて、生物地理学ってこんなことやっているんですよという案内になっています。生物学、哺乳類関係を研究をしてみたいんだけどと思っている中高生、入学したての大学生は特に参考になるんじゃないでしょうか。