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開店休業の記

今日の本

ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース

 『ブリティッシュ&アイリッシュ・マスターピース』(柴田元幸:編訳 スイッチ・パブリッシング)、読了。

 著名な翻訳家が選んだ英文学の名作短編集です。12篇収録。

 意外なのは、その半分、6篇にミステリー風味の作品が選ばれていること。名作短編集なんていうと、日本でいうところの「純文学」的なものばかりかと思っていたのですが、予想が外れました。

 W・W・ジェイコブズの『猿の手』が入っていますよ、ひぇ〜。小学生のころ、子ども向けの海外怪談集のような本で読んだな。あれは子ども向け抄訳だったんだな。こちらはもう少し描写が細やかな印象。でも、20ページほど。大人になって読んでも、やっぱり怖いです。

 ウォルター・デ・ラ・メアの『謎』も同じ怪談集に入ってたような気がする・・・。やっぱり名作なのか。こっちはなんだかよくわからないまま、終わってしまうのですが、『猿の手』とは別種の怖さを、子どもの時も大人になっても感じたお話です。

 オスカー・ワイルドの『幸せな王子』はこういうものにふさわしい、らしい、順当な選出でしょうね。

 ディラン・トマスのは、翻訳でその良さを知るのは難しい気が・・・。

 ジョナサン・スイフトは度を越してブラックというか、風刺というより「こうなったら矢でも鉄砲でも持ってきやがれ!」的開き直りというか。

 『フランケンシュタイン』のメアリー・シェリーの作品もありますし、少し前に読んだ「『短編ミステリの二百年 1』にも入っていたサキ(そちらでも短編の名手と評されていました)がこちらにも。

 『マスターピース』というくらいなんで古典的な作品が多く、現代のあけすけな表現に慣れた身には『短編ミステリの二百年 1』の時にも感じたクドさを感じないでもなかったですが、おもしろかったです。他にアメリカ編もあるそうなので、読んでみようかしら。