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開店休業の記

今日の本

忘れられた日本人

 『忘れられた日本人』(宮本常一:著 岩波書店)、読了。

 宮本常一の、また別の本を読みたくなって、選びました。

 本書は著者の代表作の一つとして知られています。1960年の発表。

 日本中を旅して歩いた著者が、戦前から戦後にかけて土地の古老から聞き取った、その地域の決まりごと、年中行事、暮らしの立て方、生活習慣、伝承、事件、時代にともなう変化、そして話者自身の人生についてなどを、やわらかな文章で丹念に紹介していきます。

 題にもあるように、発表当時、すでに過去のものとなりつつあった日本人の姿を書き残してくれています。とてもおもしろい。

 わたしは歴史が好きな方で、それなりに日本史の本も読んできましたが、こういうものを読むと、「自分はいったい日本人の何を知っているというのだろう?」と自問してしまいます。謙虚にならねば。