前にパブ・ロックのコンピレーション "Surrender To The Rhythm" を聴いていたら、Mott The Hoople の曲も収録されていて、「 Mott The Hoople って、パブ・ロックだっけ?」と思いつつ、そおいや、わたし、Ian Hunter のCDはいくつか持ってるくせに(しかも全部2000年代以降の)、Mott The Hoople は、いっち枚も持ってないことに気がつきました。変なヤツ。
ということで、買ってみました、Mott The Hoople のベスト盤 "Greatest Hits" です。
なんつーか。
いいかげんで、ムダが多くて、ケレン味だらけで、だらしなくて、怪しげで、てきとーなロックンロールなんですな、これが。成功のためのノウハウが蓄積された現代なら、制作段階でもっとスッキリと整理されてしまったであろう音であふれています。グラムロックの文脈で語られることが多い彼らですが、わたしは Faces を連想してしまいます。ロックはかつて(今はどうだか)「反抗の音楽」なんて言われちゃったりもしてたわけですが、これは「遊び人の音楽」だよね。百歩譲っても完成度で評価する音楽じゃないです。
でも、なんだかノリはいい。この得体のしれない盛り上がりは何だ? ロックとしては実に正しい。いみじくも "Golden Age of Rock 'n' Roll" なんて曲が収録されているのでありまして、当時、演ってる本人たちは全然意識してなかったのかもしれませんが、今になって聴いてみれば、このCDには(パンクやMTV以前の)ロックの黄金時代に充満していた「何か」がたっぷり詰め込まれています。
今日の音楽 − "Surrender To The Rhythm"
今日の音楽 − "Fingers Crossed"