『鉄道と国家』(小牟田哲彦:著 講談社)、読了。
今年は日本で初めてとなる鉄道の営業開始から150年だそうです。それにちなんだわけではなく、たまたまです。
日本における鉄道と国家の関係について。著者の「まえがき」に「日本の鉄道は成立当初から政治的要素を強く帯びており、広義ではほとんが「政治路線」と言っても過言ではない」とありますが、確かに。どこの国でもそうだったわけではなく、鉄道発祥の国・イギリスなどは事情が異なりますし。
明治以来の鉄道と政治の関係をいくつかのエピソードで紹介するというもの。新書であり、ページ数も少なめですので、テーマに沿って150年にわたる日本の鉄道の歴史全体を網羅するというわけにはいかず、全体からみればおそらくごく一部についての記述にとどまり、若干物足りない感じはありますが、紹介されている例はそれぞれ興味深いものです。