Ronnie Lane がカバーしたジャズのスタンダード "I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter"( Sir Paul McCartney もオシャレっぽくカバーしてますな)は、Fats Waller のバージョンがヒットしたことで知られるようになった曲なのだそうで、YouTube に上がっていたので聴いてみたらいい感じだったので、CDが欲しくなりました。
ジャズには疎いので、どんなの買ったらよいのか、探していても見当がつかなかったのですが、たまたま本作が目に入ったので買っちゃいました。Fats Waller の "Milestones of a Jazz Legend" です。なんと10枚組です。・・・いや、だって、10枚組なのに2500円だったので・・・(また、それかい)。戦前〜戦中という古い録音ばかりなので、著作権切れで安く作れたのかしら?
"Milestones of a Jazz Legend" というのはシリーズになっているようで、他にも Louis Armstrong らジャズの有名どころのを出しています。
Fats Waller は1904年ニューヨーク生まれのジャズピアニストで、本作には1922年から1942年までの録音が収められています。1943年に亡くなってしまう人ですから、主要な録音はほぼ入っているのかも(もちろん、"I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself A Letter" も入っています)。
Ronnie Lane は1946年の生まれですから、生前の Fats Waller は知らないはずですが、やはり音楽好きでピアノも弾いたという Ronnie のお父さんが Fats Waller の大ファンだったそう。
戦前のジャズっておおらかな感じですね。CD10枚というボリュームなんですが、馴染みやすい音で聴き飽きません。歌は美声じゃないんですが、人懐こく、時にユーモラスで、誰かにちょっと似てるなと思ったら、ハナ肇だよ。一番の聴きどころはもちろん彼のピアノ。なめらかに、そして踊るような音が粋。気分が和らぎます。ここんとこ、ずっと流しっぱなしにしていました。
ちょっと驚いたのは、初期にはパイプオルガンの演奏もあったこと。あれもジャズって言っていいのだろうか?
知らないところから出ているものだったので、音が少し心配でしたが、多少ノイズがのっている曲もあれど、収録が80年以上前ということを考えれば十分満足できるものでした。