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開店休業の記

今日の本

深海学

 『深海学』(ヘレン・スケールズ:著 林裕美子:訳 築地書館)、読了。

 イギリス出身の海洋生物学者が語る深海の生き物、そして人間が引き起こす深海の危機について。

 全体の約半分を占める第一部は、深海の生物の生態の紹介です。とても奇妙で、我々が生きる陸上はもちろん、ある程度知られている浅海とも大きく異なる様相は非常に興味深いです。食べるのをやめて体内に住まわせた微生物に栄養を作ってもらって生きる貝、30cmほどの大きさながら長いものでは250年も生きる魚、海底に沈んだクジラの死骸に形成される生態系・・・。

 第2部以降は、話題が大きく変わって、人と深海の関わり、特にビジネス・開発に伴う問題が中心になっています。著者の憂色は濃く。

 前半と後半とではかなり内容が異なり、正直戸惑いましたし、一冊の本としてのまとまりは今一つとも思いますが、どちらの話も知らなかったことばかりで有意義でした。