『荘園』(伊藤俊一:著 中央公論新社)、読了。
律令期の墾田永年私財法から室町時代に至る700年以上もの間存続した荘園制の通史です。
わたしが高校の時、日本史で習ったのは平安時代の事項としてで、不輸不入の権とからめて教わったような気がしますが、どうも当時からピンとこなかったおぼえがあります。その後、自分で日本史の本を読むと、特に平安〜鎌倉期の記述に頻出する用語でもあるのですが、実体がよくわかりませんでした。
わかりにくいのもある程度当然で、これだけ長い期間続いた制度ですので時代の影響を強く受けて中身は大きく変遷しています。本書のおかげで、まずはそのことが理解できました。
個人的に疑問だった荘園と地頭の関係が、少し頭の中で整理できたのは収穫。
他にも経済の発展や気候変動と荘園制の変化の関連など、とても興味深い内容が多く含まれています。
これ1冊で荘園制が理解できる、とまではいかなくても、理解のための大きな助けになってくれる本とは言えると思います。