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開店休業の記

今日の本

物語北欧神話

 「物語北欧神話 上・下」(ニール・ゲイマン:著 金原瑞人・野沢佳織:訳 原書房)、読了。

 今はほとんどしなくなりましたが、昔はコンピューターゲームのRPGとか、そこそこやっていました。登場するキャラクターには古今東西の神や怪物、武器などが借用されているわけですが、北欧神話関連が使用される頻度がかなり高かったのをおぼえています。オーディンとかワルキューレとかフェンリルとか。なので、そうした神様や怪物の名前はなじみがあるんですが、北欧神話自体はよく知りませんでした。

 たまたま、この本を見かけてそのことを思い出し、読んでみました。

 著者はイギリスの小説家。エッダと呼ばれる文献群から、著者が再構成し語り直した北欧神話が本書です。英語圏ではかなり人気のある小説家なのだそうで、たしかに読みやすかったです。原典にはかならずしも忠実ではないのかもしれませんが、初心者にとってはこういったものの方が入っていきやすいと思います。ほぼ名前だけしか知らなかった神様が、実はどんな神様だったのか、ようやく知ることができただけでもちょっと嬉しい。

 おそらく西洋ファンタジーの源流なのでしょう、この独特の世界観。神も、神の敵も、ともに滅んでいくというラグナロクを前提とした物語。キリスト教文化に染まったそれとはまた別のヨーロッパの顔が、ここで垣間見えます。おもしろいです。ところどころお話に矛盾や飛躍はありますが、そこはそれ、神話ですから。

 それにしても、現代的な倫理からすると「神様、そんなことして、よろしいんですか?」と尋ねたくなるような行いがいっぱい。神様たち、敵対者はガンガン騙して殺してます。神話ならよくあることでしょ、と言われればそれまでですけど。

 せっかく先方がこちらの申し入れを「お受けしましょう。九夜お待ちください」と承諾してくれてるのに、「やだい! 九夜も待てないっ!」って・・・、あなた、神様でしょうに。おもちゃ売り場の五歳児ですか・・・。