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開店休業の記

今日の本

ヨーロッパ・コーリング・リターンズ

 「ヨーロッパ・コーリング・リターンズ」(ブレイディみかこ:著  岩波書店)、読了。

 この前、同著者の旧作の「DELUXE EDITION」を読んだのですが、今回は別の旧作の「リターンズ」です。おいおい。どうなってるんだ。

 元の「ヨーロッパ・コーリング」は2014年3月から2016年2月までのヨーロッパの政治情勢レポートだったのですが、その後2021年までに各所で掲載された時評を追加収録したもの。追加分の方が多いくらいなので、元のを既読であっても、あらためて読む価値はあります。

 追加分の最初の方はやはりブレクジットがよく取り上げられていたのですが、2020年3月以降はコロナ関連が圧倒しています。そうだよね。やっぱり。こちらもあれからの経過を思い出し、「ああ、あれから2年も経っちゃったのか」となんとも言えない気分に。

 そういえば英国はコロナ蔓延初期に集団免疫獲得で対応しようとしていたらえらいことになってしまって、首相まで感染して死にかけるという事態に、一転してロックダウン実施。そうした状況に英国の庶民は、というところを現場目線で報告しています。

 著者の他の本でも感じることですが、英国の庶民の共助精神はまったく大したもので、頭が下がります。ただ、それがなかったら、とっくに社会が崩壊していたんではないかと思われる危うさも同時に感じます。