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開店休業の記

今日の本

将軍・執権・連署

 「将軍・執権・連署」(日本史史料研究会:編 吉川弘文館)、読了。

 前によく似た題の本を読んでます。日本史史料研究会の監修で同じ出版社から出た「鎌倉将軍・執権・連署列伝」(以下、『列伝』)ですね。本書は『列伝』出版に合わせて開催された2回の公開シンポジウムでの報告・質疑内容を元にしたもので、『列伝』の展開編というものだそうです。

 実際、『列伝』が鎌倉幕府の将軍・執権・連署35人の簡潔な伝記集であったのに対し、こちらは前記シンポジウムであがった将軍・執権・連署に関連する各論点を8人の著者がそれぞれ考察するというものになっています。ですので、本書の前にまず『列伝』の方を先に読むのがよさそうです。

 矛盾(本来家臣である北条氏が主君である将軍の廃立を繰り返す)を抱えながら試行錯誤を重ねたものの、その最期まで安定した機構を整備しきれなかったのが鎌倉幕府、という印象を持っていたのですが、本書でもその苦しさが伝わってくるというか。展開が複雑(将軍が源家・摂家・皇族と系統が代わったり、執権イコール最高権力者とは限らなかったり)で理解しにくいことが多い時代ですが、その分、おもしろいとも言えるかと。