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開店休業の記

今日の本

進化の技法

 「進化の技法」(ニール・シュービン:著 黒川耕大:訳 みすず書房)、読了。

 研究者による、進化生物学の歴史です。

 直感的には「羽は鳥が空を飛ぶために進化させた」、「肺や足は魚が陸上に進出するために進化させた」と思ってしまいそうですが、本書のプロローグによれば、いずれも正しくないそう。

「何事も、当然のことながら、私たちが始まったと思った時に始まっているわけではない」(アメリカの劇作家・リリアン・ヘルマン)

 著者によれば、この言葉が進化の謎を理解するための重要な鍵となる、としています。

 幼型成熟、同じ遺伝子の使い回し、勝手にあちこち飛び回り自分のコピーを作る遺伝子、侵入してきたウィルスの機能の取り込み、収斂進化に異なる細胞の融合、その「技法」はさまざま。

 話題が豊富で楽しいです。原著は2020年の出版ですので、近年の革新著しいこの分野で、最新に近い進化生物学の見解をわかりやすく紹介しています。