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開店休業の記

今日の本

最終列車

 「最終列車」(原武史:著 講談社)、読了。

 著者は日本政治思想史の研究者ですが、自称「鉄学者」でもあり、鉄道に関係する著作もあります。本書は主に出版社のPR誌で長期連載されていた鉄道をテーマとするエッセイをまとめたもの。2014年から2021年までに書かれた文章が収録されています。

 以前、読んだ「皇后考」は600ページもあり、読み通すのはなかなか骨でしたが、こちらは著者の専門である日本政治思想史と関連した考察も多いとはいえ、1編数ページというエッセイですから比較的気楽に読めます。

 が、内容はやや愁いの色濃く。連載されていた期間にもどんどん鉄道を取り巻く環境が厳しくなっていったことが反映されているようです。なにせ「鉄学者」だけに、贔屓目で少々鉄道の存在を重く見過ぎているのではないかと感じる部分もないではないですが、わたしもかつて鈍行で埼玉から長崎まで行ったりとそこそこ鉄道に愛着を持っていたので、現状は寂しいですし将来についても悲観的になってしまいそうな今日このごろ(折しも、JR西日本が地方路線の収支を公表し、今後について議論したいとのこと)、共感するところは少なくありません。