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開店休業の記

今日の本

よくわかる多発性硬化症の基本としくみ

 「よくわかる多発性硬化症の基本としくみ」(岩本一秀:著 エクスナレッジ)、読了。

 当サイトは Ronnie Lane に関する記述がかなりの部分を占めています。今、2017年に出版された彼の英文伝記を訳しながらがんばって読んでいるところなのですが、後半生の彼を苦しめたのが多発性硬化症です。伝記を読んでいて、あらためてこの病気について知りたくなり、医療関係者ではない一般人でもわかりやすい説明が書かれたものはないかと探して本書を見つけました。表紙が少々厳めしく、手を出しかねてしまいそうですが、だいじょうぶ、内容は一般人向け、やさしい文章でイラスト入りです。著者は神経内科のお医者さんです。

 多発性硬化症とはどんな病気か、診断法、治療法、生活上の注意や対処法などが1問1答形式で解説されています。資料として難病相談窓口のリストあり。発行が2010年とやや前なのが残念ですが、最初の1歩としては十分な内容だと思います。

 この病気の原因は現在も解明されていないそうですが、免疫機能の異常による疾患であることははっきりしているそうです。

 「多発」とは病巣が身体のあちこちにできることと再発を繰り返すことの両義で、「硬化」とは病巣が時間の経過により硬く感じられるようになることから、この病名になっているとのことです。Ronnie はこの病気を「多発性アレルギーと呼ぶべきだ」と言っていました。免疫機能の異常ですから、近いのかもしれません。また「ものが二重に見えてくる」とも言っていて、本書によればこれは多発性硬化症の主な症状の一つだそうです。

 なお、完治しづらい病気ではあるものの、現在は治療法が進んだため、患者さんのかなりの人がふつうに日常生活を送っているとのこと。それはよかった。もっと進んで、完治できるようになるといいですね。