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開店休業の記

今日の本

失われゆく仕事の図鑑

 「失われゆく仕事の図鑑」(永井良和・高野光平・鵜飼正樹・川井ゆう・木村立哉・栂嶺レイ・蔦秀明・宮崎健二:著 グラフィック社)、読了。

 かつては身近なものであったけれど、現在、姿を消した、あるいは消しつつある仕事121種を紹介する本。

 これ、楽しいですよ。どれも知らない若い世代が「何これ〜ッ」と仲間内で眺めるのもよいと思いますが、オススメは年配の方に知っている仕事について聞きながらいっしょに読むこと。

 わたしは今年の正月、自分で読む前に叔母(80歳)のところへ持ってったらウケました。

 叔母曰く

名曲喫茶:「行った。新宿にあったわね、広かったわよ」

トロリーバス:「わたしがこっち来たころ、渋谷を走ってたわね」

紙芝居屋:「お菓子買わないと見せてくれないのよ! 寄ってくるなって」

遣り手婆:「郷里の駅の近くにね、赤線っていうの? そういうところにいた」

下足番:「あんた、見たことある? 昔は大きな料理屋さんなんかにもいたわよ」

売血:「あんたの親父さんがやってたわよ、ハハハ」

ヤマガラのおみくじ引き:「見た、見た。縁日なんかに来るのよね、可愛かったわよ〜」

ポン菓子屋:「近所をまわってくるのよね、空き地なんか使って。お米は自分で持っていくの」

サーカス:「家の近くの公園に巡業が来て、観に行った。やっぱり、綱渡りが一番ドキドキしたわね」

などと、盛り上がりました。年配の方とコミュニケーションをとりたい時なんか、うってつけなんじゃないでしょうか。

 わたしがおぼえている仕事だと、印象に残っているのは野菜の行商。

 もう、20〜30年くらい前になりますけど、用事があって、早朝の電車に最寄り駅から乗り、北千住で常磐線に乗り換えたら、車内にでっかい荷物といっしょのちっちゃいオバちゃんたちが何人もいて驚いた記憶があります。なぜか荷物を座席に置いて本人は立っていたんじゃないかな。床に荷物をおろしてしまうと重くて大変だからだったようです。なんせ、座席に置いた状態だとオバちゃんの背丈と変わらないぐらいの高さの大荷物でしたから。

 そのころ、池袋の地下通路(ウイロード)で売っているところもよく見ましたね。10年ほど前にも人形町でも店を広げているオバちゃんがいて、お昼休みなんかけっこう盛況、わたしもお赤飯買ったことがありましたっけ。今、どうなんだろう?