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開店休業の記

今日の本

漢字の成り立ち

 「漢字の成り立ち」(落合淳思:著 筑摩書房)、読了。

 漢字の原点を探る研究の入門書。まず、漢字成立の基礎知識から入り、先行研究の紹介とその批判、近年の成果の報告という流れになっています。

 実は漢字成立の研究は、1980年代以降停滞していた時期が長く、そのため見直しが進んでいる近年の研究成果からすれば問題の多い説が流布してしまっているとのこと。わたしも停滞期にちょっくら漢文を学んだ立場なので、この指摘はけっこうキッツいものが・・・。

 著者は中国古代政治史・古代文字の研究者。名前におぼえがあるなと思ったら、10年以上前に1冊読んでいました。以前は主に政治史の研究をしておられたそうですが、本書出版(2014年)の数年前から漢字研究に中心を移しているとのこと。

 わたしが前に読んだ本は中国の古典に含まれる虚構や粉飾を遠慮なく追求するという内容でしたが、本書も先行研究批判に相当紙幅を割いています。そうせざる得ない背景があるのでしょうが、こうはっきり指摘する人も珍しい。ひょっとして芸風?(違うって)