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開店休業の記

今日の本

過疎再生

 「過疎再生」(松場登美:著 小学館)、読了。

 石見銀山のある島根県大田市大森町で、およそ40年地場の会社を経営している著者が語る歩み。町おこし・村おこしの方法論の本ではありません。

 わたしは大森町に行ったことがあります。その時、一番印象に残ったのは実は世界遺産の銀山ではなく、集落内に小学校があって地元の子どもたちの姿を見かけたこと。そう、表紙の写真のような子どもたちです。道端で遊んでいて「お散歩させよう!」などと言っているので、何を散歩させるのやらと通りすがりに眺めていると、男の子の一人がバケツから取り出したのは、でっかいカメでした。カメ。

 自転車に乗って日本中フラフラしてみると、大森町のような山間の集落では子どもを見ることは稀で、学校も建物は残っていても廃校になっていたりと、寂しい状況を目の当たりにすることが多かっただけに、ここではなんだかホッとしたのを憶えています。たしかに若い世代がいらっしゃるのですね。

 興味深かったのは、世界遺産登録についての話。「町に訪れる人の数が、町の器以上になってはいけない」という指摘、日本がむやみやたらな観光立国を目指すようになってしまった昨今、重要な教訓ではないでしょうか。

 それにしても、カメかぁ。いいなぁ。おっちゃんもたまにはカメと遊んだりしたい。