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開店休業の記

今日の本

死を招くファッション

 「死を招くファッション」(アリソン・マシューズ・デーヴィッド:著 安部恵子:訳 化学同人)、読了。

 題が怖いです。さらに各章の見出しも怖いです。「現実でも物語でもファッションは死を招いている」、「病んだ衣服」、「毒を含んだ技術」、「絡まる、窒息する」・・・。ヒイィッ。

 ファッションが主題の本だけに、図版が豊富で、見てる分にはなかなか美しいものも少なくないのですが、見てる分にはね。

 19世紀から20世紀前半にかけて、科学技術の発展が服飾の分野にも及び、それまでになかった製品が次々と誕生しました。それは新たな流行を生む一方で、思いもよらぬ悲惨な事故・疾病・負傷の原因にもなっていたのです。そうした実例を多数、歴史的背景とともに紹介するという本です。

 著者はカナダの服飾関係の研究者。研究者らしく、まじめで堅い文章であまり読みやすいとは言えませんが、興味本位のいいかげんな内容ではありません。

 取り上げられている例の多くは100年以上昔のできごとですが、では今はそうしたことはないのかといえば、著者が最後の章で指摘しているとおり、そんなことはないわけで。諸兄諸姉、ご油断めされるな。