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開店休業の記

今日の本

中世の罪と罰

 「中世の罪と罰」(網野善彦・石井進・笠松宏至・勝又鎭夫:著 講談社)、読了。

 よく見たら表紙絵、信西の首がさらされてる・・・。

 4人の日本中世史の碩学が、罪と罰に関係する10のテーマを論じる、というもの。

 最初に出版されたのは1983年。元々、東京大学出版会のPR誌の連載をまとめたものだそうです。そのため各テーマ20ページ前後の分量で、本格的な研究発表というものではないし、それが要求される場でもない、なのでまだ結論が出せるほどまとまってはいないけど興味深い事例、いわば「研究者の小ネタ」を解説しつつざっくり紹介、という感じです。

 これがなかなかおもしろい。「お前のお母さん・・・・・・」や「死骸敵対」といった各テーマ自体のおもしろさもありますし、全体を通じて日本の中世人独特の思考というのがうっすら感じられるというのもあります。

 40年近く前のものですから、内容的には古びてしまっているかもしれません。文章は折り目正しく、まあ堅苦しいとも言えます。最近の若手研究者の本などと比べると読みやすくはないでしょうが、時にはそれもまたよし。

 10のテーマの後に、著者4人の討論がありまして、研究者がどういったところにこだわるのかがうかがえます。