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開店休業の記

今日の本

食の実験場アメリカ

 「食の実験場アメリカ」(鈴木透:著 中央公論新社)、読了。

 読む前には「ファーストフード帝国のゆくえ」という副題から、マクドナルドらアメリカ発の巨大ファーストフード企業の内幕を描いた本かなと勝手に思ったのですが、違いました。植民地時代から現在に至るまでのアメリカの食の変遷を社会・文化の観点から解説したものです。

 著者はアメリカ文化の研究者。

 予想とは内容が違ったのですが、面白い本です。

 アメリカ料理というのは、とりあえず日本ではあまり評価されていませんが、実は豊かな歴史があったとのこと。その成立から非西欧的な要素を濃厚に含んでおり、様々な文化が融合し、地域ごとの独自の料理が存在していたとのこと。

 しかし、アメリカが世界でも先端をゆく近代産業社会へと向かう過程で食もまた産業化されていき、市場主義的に効率と利益を最大化しようとするファーストフード産業が隆盛する現在に至った、という流れを簡潔にまとめています。

 いろいろ発見がありましたが、コーラ(アメリカを象徴する商品でもありますね)を始めとする清涼飲料水は登場した当初の19世紀後半、健康食品として扱われていたというのには驚きました。コーラが健康食品・・・。わからないものです。