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開店休業の記

今日の本

辺境を歩いた人々

 「辺境を歩いた人々」(宮本常一:著 河出書房新社)、読了。

 著者は民俗学研究者として知られていますが、本書は江戸〜明治期にかけての日本の民俗学の先駆者、つまり著者の先輩にあたる人々の評伝集となっています。

 取り上げられているのは順に、近藤富蔵、松浦武四郎、菅江真澄、笹森儀助の4人です。著者も「はじめに」で言っていますが、皆、それほど有名な人物ではありません。全員知っている、という人の方が少数派ではないかと。わたしは、松浦武四郎なら以前著書の現代語版などを読んでいたので知っていましたが、菅江真澄はほぼ名前だけ、近藤富蔵はその父親で北方探検により知られている幕臣の近藤重蔵なら聞いたことがあったのですが(読み始めるまで、本書で取り上げられているのもてっきり重蔵の方だと勘違いしていました)、笹森儀助に至ってはまったく「?」状態。

 全員、光が当たることが少なかった地方の調査を長年地道に続け、後世にとっては大変貴重な資料を残してくれた人です。

 著者の先人への敬意が感じられます。とてもやさしい文章で、解説等がなかったのではっきりしたことはわかりませんが、十代向けに書かれた本ではないでしょうか。初出が1966年ということで、今となっては問題になりそうな表現もありますが、読みやすいです。