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開店休業の記

今日の本

時間は存在しない

 「時間は存在しない」(カルロ・ロヴェッリ:著 冨永星:訳 NHK出版)、読了。

 著者はイタリアの物理学者で、ループ量子重力理論という量子論と重力論を統合する候補として有力な理論の提唱者です。のみならず、一般向けの科学書で世界的なベストセラーを出しており、本書もその一つ。

 刺激的な題名です。時間の速度は場所によって異なり、ほとんどの物理法則で過去と未来は区別できず、わたしたちが「時間」と考えているものは一種の誤解のようなものである、といった現代物理学の観点からの「時間」を解説しています。

 この著者の理論に基づく「時間」については、正直なところ、わたしは難しくてよくわかりませんでした。

 といって、文章が読みにくいわけではありません。むしろ、著者ができる限り平易な表現に努めていることがよくわかる配慮された文章で、なるほどベストセラーになるのもわかります。もともと門外の一般人が理解するには高度すぎる問題なのでしょうけど、それでもなんとか、断片的でもよいから、イメージしてもらえたら、という科学者の良心を感じます。