「『役に立たない』科学が役に立つ」(エイブラハム・フレクスナー/ロベルト・ダイクラーフ:著 初田哲男:監訳 野中香方子・西村美佐子:訳 東京大学出版会)、読了。
あのアインシュタインを始め、クルト・ゲーデル、フォン・ノイマンら錚々たる科学者が所属していたことで知られるアメリカ・プリンストン高等研究所の二人の所長による、基礎研究の重要性を訴えたエッセイです。
現在、アメリカにおいてすら研究開発予算は徐々に減少しており、中でも研究が長期になりがちで商業的な利益に直結しにくい基礎研究は軽視されているそうで(日本だけじゃなかったんだ)、そうした傾向への危機感が原著者たちをして、これらの文章の発表に踏み切らせたのでしょう。
エッセイ2本でちょうど100ページほど。短いですし、読みやすい内容になっていますので、特にこれから専門的な分野に向かっていく大学生に読んでいただければ。
ただ、どこか「貴族的」な匂いも感じられるようでもあり、科学に興味を持たない(場合によっては敵対的ですらある)人たちに対してはどこまで説得力があるかについて、少し疑問がなくもないです。