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開店休業の記

今日の本

精密への果てなき道

 「精密への果てなき道」(サイモン・ウィンチェスター:著 梶山あゆみ:訳 早川書房)、読了。

 「精密」とはいったい何なのか? 18世紀の機械式時計から現代の重力観測機器まで、時代の移り変わりにより必要とされたそれぞれの「精密」についての10章。

 著者が英国人なので、やや話が英語圏に偏っているような気がします(例えばドイツあたりでも「精密」について興味深い話がありそう)が、十分おもしろい科学技術ノンフィクションです。

 最後の章でやや唐突に日本の話が登場するのは奇異に感じたのですが、著者の奥様が日系なのだそうなのでそのためでしょうか。まあ、その章でも触れられていますが、「電車が定刻より20秒『早く』発車したとして鉄道会社が謝罪した」などという、見方によってはほとんど狂気に取り憑かれているような国は、他の国の人からしたら格好のネタ、なんでしょうけどねい。