
「六国史」(遠藤慶太:著 中央公論新社)、読了。
六国史、6つの国の歴史ではありません(三国志と語感は似てますが)。奈良〜平安期に朝廷によってまとめられた日本の史書、日本書紀・続日本紀・日本後紀・続日本後紀・日本文徳天皇実録・日本三代実録を指します。記録されている時代は神話期から平安前期まで、同時代についての基本資料となっています。
日本史において大変重要な文献であるわけですが、実態がよく知られているわけではなさそう。日本書紀はともかく、それ以外は「知らね」という人も少なくないでしょうね。そんな六国史をご紹介、という本です。
六国史全編が記録している期間は非常に長いですので、新書1冊ではホントにご紹介程度に解説するのがやっとというところなのですが、割合よくまとまっていると思います。
また、その後、朝廷において史書が編纂されることは絶えてしまった事情や六国史がどのように伝承されてきたかについても述べられており、なかなかおもしろかったです。