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開店休業の記

今日の本

「王」と呼ばれた皇族

 「『王』と呼ばれた皇族」(赤坂恒明:著 吉川弘文館)、読了。

 日本の皇族で王というと、時代によって違いがあるのですが、概ね天皇・親王(内親王)以外の皇族を指します。千数百年は続いている天皇の(やや遠縁の)親戚、ということですから、史上、おびただしい数の王が存在したはずなのですが、その割には知られている人が少ない。奈良時代に現職の左大臣でありながら誣告により追いつめられ自死した長屋王(親王説あり)とか、平安末期に反平家動乱の口火を切ったとされる以仁王くらいでしょうかね、有名な人は。

 そんな地味ーな王の歴史を追った本です。変遷する制度についての解説など、やはり地味ーな話が続き、エンターテイメント的なおもしろい本とは言えませんが、王に焦点を当てた一般向けの書籍はめずらしく、貴重です。

 皇族とはいっても天皇から親等の遠い王はさほど優遇されたわけではないそうで、皇族ではない大貴族にアゴで使われたりしてます。記録もあまりなくて、史料に出てきてもどの天皇の子孫なのかよくわからない王も少なくないとか。凶悪犯罪者となってしまう王もいたりして、どうもパッとしないですね、これが。