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開店休業の記

今日の本

皇后考

 「皇后考」(原武史:著 講談社)、読了。

 先日読んだ「女官」の解説を担当していた日本政治思想史の研究者が著者。他に大正天皇や昭和天皇についての著作もあります。

 この本において焦点を当てられた皇后とは、大正天皇妃、旧名を九条節子(華族・旧五摂家出身)、諡して貞明皇后です。主に彼女の生涯を追っていきます。彼女の思想と行動に強い影響を与えたと著者が考える明治以前の二人の皇后、神功皇后と光明皇后に対するかつての信仰にも度々触れられています。

 難解ではないのですが、600ページを超える大部で、記述も時々散漫に流れることがあり、読みやすいとまでは言えません。しかし、貞明皇后の影響力が皇室の家庭環境から政治にまで及んでいたことがうかがえておもしろく、読み通すことができました。「表」だけを描いた歴史ではなかなか取り上げられないところですが、皇族も政治家も人である以上、人間関係に影響されてしまうのは避けられないわけで・・・。