
「ずっとお城で暮らしてる」(シャーリイ・ジャクスン:著 市田泉:訳 東京創元社)、読了。
出版社でおわかりかと思いますが、ミステリ系の小説です。わたしはあまり読まないジャンルなんですが、本屋さんでタイトルが目に止まり、なんとなく買ってみました。
原作は1962年の発表と、かなり前です。
18歳のメアリ・キャサリン・ブラックウッド、通称メリキャットはある村の古い屋敷で姉と伯父と飼い猫とひっそり暮らしている。他の村人たちとの交流は、可能な限り避けるようにして。メリキャットたちが住む屋敷ではかつて惨劇が起きていて・・・。
悪意と敵意と、幾分の狂気がじっとりページに染み込んでいるようなお話です。
好意がもてる登場人物がほとんどいないし。
「愛とか幸福とか善とかそーいうのは要らん! 暗い、いやーな気分になりたいんだ!」という方にはお薦めできるかもしれません。そういう人がいるかどうかはともかく。
わたしはこの居心地の悪さに耐えてページを進めるのがしんどくて、休み休みになってしまい、それほど長い小説でもないのに読み終わるのにかなり時間がかかってしまいました。それでも時にはこういうものも読んでみるものだなとも思いましたが。
買ってから気がついたんですが、吉野朔実も取り上げていました。あの人とは読むものの傾向がかなり違うので、これは珍しい。
今日の本 ー 「吉野朔実は本が大好き〔吉野朔実劇場 ALL IN ONE〕」