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開店休業の記

今日の映画

 さて、今日は映画の日。しかも、日曜日。ということで、観てまいりました、欲張って2本。

テルアビブ・オン・ファイア

 1本めは「テルアビブ・オン・ファイア」、2018年のルクセンブルク・フランス・イスラエル・ベルギー共同制作です。

 叔父のコネでテレビの連続ドラマ「テルアビブ・オン・ファイア」の制作現場に雇われたパレスチナ人の若者サラーム。エルサレムに住むサラームは、撮影所へ出勤するために毎日イスラエルの検問所を通過しなければならない。ふとした言葉から疑われて検問所の司令官のもとへ連行される。司令官はサラームが「テルアビブ・オン・ファイア」の関係者と知ると、自分の意見をドラマに取り入れるよう強要してきて・・・。

 と、書くとシリアスな社会派映画と思われるでしょうが、コメディです。いや〜、パレスチナとイスラエルの対立を笑いで描けるとは、高度です。もちろん、背景に深刻な社会状況があるのはわかるのですが、そこはあくまで背景にとどめ、あくまでコメディとして描ききったところが、なんか清々しいくらいです。オチもちゃんときまってます。

 問題意識を押し付けず、「まずは笑って! もし気がついたことがあったら、その後で、みんなそれぞれでいろいろ考えてみてね!」という姿勢、いいですね。

 主役のサラームのフニャフニャしたところがまたいいキャラしてます。アラブの人というとコワモテなイメージがあるんですが、やっぱりいるんですね、ああいうタイプ。

幸福路のチー

 2本めは「幸福路のチー」、2017年、台湾のアニメです。

 アメリカ在住の台湾女性リン・スー・チー、祖母が亡くなったことを知らされ、久しぶりに帰郷する。すっかり変わった街、老いた両親の姿を前に、思い通りにならなかった自分の過去を回想する。

 親に台湾の知人がたくさんいたので、なんだか懐かしいです。ビンロウ、そう、あれはあまり品のいいものじゃないって教わったっけ。聞きおぼえのある言葉がいくつも出てきて、久しぶりに思い出しました。そう、わたしがおぼえている台湾の人たちもこんな感じで、基本、楽天的・前向きでした(時に暴走気味になりますが)。

 絵柄は素朴でファンタジックな描写もあるのですが、話は苦味を含んだ大人向け。国民党独裁体制から民主化、経済発展、震災と、台湾のここ30〜40年の歩みを記憶している方なら、なお興味深いでしょう。

 こちらも観終わった後の余韻が心地よい、すっきりとした味わいの作品でした。

 今回、両方ともアタリ(嬉)。