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開店休業の記

今日の音楽 ー ダークサイド・オブ・80年代

Original Album Series

 今回はお久し振り、英国1980年代パンク〜ポストパンクの生き残り(現在も活動継続中らしい)New Model Army です。前回紹介したのは10年も前。唐突に再登場したのは、初期のCD5枚セットがなんと1700円だったので、つい買ってしまったからです(また、やってるよ、この人・・・)。

 だって! 買うでしょう? CD5枚で1700円ですよ?

 というわけで、"Original Album Series" です。内容は1985年のアルバム2作目の "No Rest For The Wicked" から1986年の3作目 "The Ghost Of Cain" 、1989年の4作目 "Thunder And Consolation" 、1990年の5作目 "Impurity" に1991年のライブ盤 "Raw Melody Men" と EMI 所属時代の5枚となっとります。"Thunder And Consolation" はダブっちゃったけど、リマスターされてるみたいだし、まあいいや。

 プロデューサーはほぼ毎回変わっていますが("The Ghost Of Cain" で Faces なんかで知られる Glyn Johns が担当しているのが目を引きますな)、音の印象はほとんど変わりありません。ほとんど一緒というか・・・。

 でも、かっこいいんだ。パンク後のバンドらしい硬質で引き締まった演奏、同時代の U2 や The Alarm に通じるような疾走感がよいです。

 が、引き合いに出した2バンドとは大きく異なるのが、つきまとう重苦しい雰囲気。悲劇の予感。あえて偽悪的に闇を強調しているのではとさえ思える強迫的な漆黒の音の圧力。軽薄ポップ化していた80年代のメインストリーム向けヘビーメタルなんぞよりはるかにヘビーです。敗北必至の戦場に向かう兵士の叫びのような曲が並びます。"I Love The World" なんて曲があるからって、The Carpenters の "Top Of The World" みたいなんかという気分で聴くと、死ぬぞ。

 そんなんだから一般ウケしなかったんだろうな・・・。日本での知名度はないに等しいんじゃなかろうか。

 ちなみに "No Rest For The Wicked" が出た1985年のビルボード年間シングルチャートの1位が Wham! の "Careless Whisper" で、2位が Madonna の "Like A Virgin" って頃。お前ら、どうかしてるよ・・・。

 アルバム単位でいくと "Thunder And Consolation" が一番かと思いますが、曲でなら "Impurity" の "Whirlwind" 〜 "Lust for Power" と続くところが好き。

 念押しときますが、アルバム5枚、どれ聴いても楽しい気分には決してなれませんぜ。人によってはとことん打ちのめされてしまう可能性があるので、要注意。