先日、某大手チェーンのCD店に行ったついでに、Tom Petty のCD、今はどんなのが置いてあるのかなと、「T」の棚を探してみたのですが、いっち枚もなし! よくある追悼ポップもなし!(品物ないんだから当然か・・・)日本での彼の人気の低さを思いしらされることとなりました。あうぅっ。
以前にも触れていることですが、わたしが彼の存在を初めて知ったのは1985年、アルバム "Southern Accents" を出した頃です。その収録曲 "Don't Come Around Here No More" のビデオを観て、「な、何じゃ、こいつわっ!」と思いましたね。その時は割と一般的な日本人の反応だったかもしんない、まだ十代だったしぃ(笑)。完全にヤバい人に見えました。実際、所属レコード会社と対立したとか、インタビューの途中で気に入らない音楽ジャーナリストの胸ぐらをつかんで部屋から引きずりだしたとか、レコーディングがうまくいかないのに腹を立ててスタジオの壁殴りつけて拳を骨折したとか、そういう話も聞きましたしね。
評価が変わったのは今回ご紹介、同年に出たライブアルバム "Pack Up The Plantation" からです。1曲めの "So You Want To Be A Rock & Roll Star" を、これもたまたまテレビの音楽番組で観たのですが、ご丁寧に訳詞の字幕付きだったのが幸いでした。
♪ ロックンロールスターになりたいんなら
オレの言うこと、ちゃんと聞いとけよ
まずエレキギターを手に入れるんだ
そんでちょいと弾き方おぼえて
髪型バッチリ決めてピチピチの衣装を着れば
それでいいんだ
...
皮肉たっぷりの歌詞にアメリカン・バンドらしい豪快な The Heartbreakers の演奏、それとなんといっても Tom の存在感が相まって見事にロックンロールです。この曲、The Byrds のカバーなんですが、オリジナルじゃないかと錯覚するくらい Tom に似合ってます。
この曲が良くてCDを買った(初めて買った輸入盤だったかな? あの頃はまだ高かった国内盤の半額くらいだったから・・・)のですが、他の収録曲も良くてねぇ。"The Waiting" 、"Breakdown" 、"Rebels" ・・・。カバーした曲から The Byrds や The Isley Brothers を聴くきっかけにもなった思い出深い作品です。
近年の作品は聴いていなかったのですが、やっぱり悲しい・・・。