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開店休業の記

今日の本

旗本・御家人の就職事情

 「旗本・御家人の就職事情」( 山本英貴:著 吉川弘文館)、読了。

 一般向け歴史研究書ですが、かなり地味〜な内容です。別の題をつけるとすれば「江戸幕府の人事労務政策」ってな感じでしょうか。みんなが知ってる英雄豪傑が大活躍というものではありませんし、つーか、出てくる人たち、知らん人ばっか。著者は一般向けの本を書くのは初めてだそうで、そのせいか構成に今一つまとまりを欠き、さらさら読めるというものでもありません。

 なので誰にでも「オススメ!」という本ではないのですが、わたしは昔、勤めていた会社の総務担当でして人事労務にもちょこっとかかわったことがあったもので、そういう経験がある人なら関心がもてるかもしれないです。

 幕臣の身分はざっくりいって旗本と御家人に分かれることは歴史の授業でも習うんでよく知られていると思いますが、御家人はさらにその身分を世襲できる譜代と原則当人一代限りの抱席に分かれるのだそうです。現代の総合職と一般職、一般職も正規と契約社員や派遣社員等の非正規に分かれる、みたいな話ですな。

 幕臣は時代が下っていくとともに増加傾向にあり、それに比例して役職が増えたわけではなかったので、仕事のない旗本・御家人も増えてしまったそうです。う〜ん、これは社内失業を連想するぞ。

 幕府首脳もそれを放置していたわけではなく、幕臣の士気を高めて忠勤に励んでもらうため、制度改革を行っています。その一方で幕府の利益になりそうなら怪しげな幕臣の事業(副業?)にも目をつぶり、成り行きからダメだと判断すればその行動を理由にあっさり切り捨てるという、組織の非情さも現代に通じるものが・・・。