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開店休業の記

今日の本

バッテリーウォーズ

 「バッテリーウォーズ」(スティーヴ・レヴィン:著 田沢恭子:訳 日経BP社)、読了。

 アメリカにおける新型電池(将来、ガソリン車を駆逐しうる高性能な電気自動車を実現できるような)の開発競争の現在を描いたノンフィクションです。技術的な点の解説より研究者群像を描くというところに重きがおかれた内容になっています。

 電池の基礎研究では多くの成果を挙げていたものの、実用化と生産では大きく後れを取っていたアメリカが、知的財産を尊重しない日本・韓国・中国らの東アジアの電池生産大国をしのいで次世代では勝者となるべきだ、という意識が色濃く出た記述でありまして(書いている人がアメリカ人なのでしかたありませんが)、日本人としましては読んでいて少々居心地が悪い場面も。なお、本書の舞台はアメリカの研究機関・企業が大半で、日本を含め他国の状況はほとんど取り上げられていません。また、現在進行形の話でありますのでもともと小説のような結末は期待できないのは当然ですが、それにしても尻切れトンボの終わり方でなんだか拍子抜け。しかも出版のタイミングが悪かったということなんでしょうが、最近の原油安下にあっては新型電池開発の切迫感も伝わりにくいです。正直、物足りませんでした。