なぜか、またアイルランド物のDVDを観てしまいました。今度は映画じゃなくてドキュメンタリー。「アウト・オブ・アイルランド 〜 ヒストリー・オブ・アイリッシュ・ロック」です。元はアイルランドのTVシリーズだったとのこと。制作は2000年らしいので、情報の鮮度としてはやや古いものになってしまいます(なので The Script とかは出てこない)が、それでもアイルランドを代表するアーティストの映像がたっぷり観られる上に、大御所・Van Morrison や Paul Blady(!)に U2 の Bono・Edge らのインタビューもあってアイリッシュ・ロック好きにとっては豪華な2時間半となっております。
始まりは1950年代、ショー・バンドの登場からです。音楽を手軽に聴けるメディアが存在しなかった当時、流行曲を演奏するビッグバンドやダンス音楽を演奏する伝統的なバンドの流れから出てきた一連のショー・バンドたちは米英のヒット曲をパクることに終始していたそうで、Bob Geldof(お懐かしや!)や Bono にボロカスに言われていますし、日本では全く知られていない存在ですが(わたしもこれを観るまで知りませんでした)、これがアイルランドのロックの先駆であったようです。
転機は1960年代初め。The Beatles の登場(やっぱり・・・)、そしてテレビの普及にあったようです。ロックの勃興とその情報が流れこんでくるようになったことが大きかったと。まずは Van Morrison 率いる Them が現れ、以降、Rory Gallagher 、Thin Lizzy らが続き・・・、パンク/ニューウェイブの台頭期にあっては Stiff Little Fingers 、The Boomtown Rats そしてもちろん U2 、80年代には Clannad が注目を集め、続く Enya がさらなる成功を収め・・・、その他 Sinéad O'Connor 、The Pogues 、Paul Blady 、The Cranberries 、Boyzone 、The Corrs などなど多数登場。日本ではあまり知られていない人たちも紹介されていて、そちらもなかなか興味深いです。
ヒストリー物ということで概説的な内容になってしまい、もっと突っ込んだことが知りたいという人には物足りないかもしれませんが、これだけのアーティストを一気に紹介してもらえる機会もそうないので、わたしは大満足でした。
個人的には Thin Lizzy が聴きたくなりました(CD、持ってないんです)。何を聴いたらいいかな? my bloody valentine がアイルランドのバンドとは、うっかりしてました。Edge も最初は気がつかなかったそうなのでしかたない? 一番印象に残ったのはやっぱり、どこまでも全力野郎な Rory Gallagher の演奏シーン。