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開店休業の記

今日の本

GDP

 「GDP」(ダイアン・コイル:著 高橋璃子:訳 みすず書房)、読了。

 GDP、つまり国内総生産の歴史と課題を解説したもの。著者はイギリスの経済学者です。

 経済や国際関係のニュースでしょっちゅう登場する言葉ですが、それがなんなのかはあまり知られていないという。思いっきり簡単に言ってしまうと、その国で生み出された経済的価値を測定するための指標、ということになるかと思いますが、これだけじゃ実体はやっぱりよくわからない。

 著者によれば「GDPの定義を前提知識なしでわかるように説明するのは、意外なほど難しい」上に、「ものすごく複雑な方法で出され」るためにその計算方法を「細部まで理解している専門家はごく一握り」という、あくまで「理論上の数字でありながら」経済の国際比較や国家経済の状態把握に使われ、ひいては各国の経済政策を方向づけるという「とんでもなく重要な意味を持っている」統計データだそうです。だから、解説に本1冊必要なわけですね。

 学者が書いた堅い内容の本ですが、一般向けで難解ではありません。統計の話ですが、数式はほとんど出てきませんので、数字が苦手な人にも読みやすいと思います。

 おもしろかったのは、現在のGDPにあるいくつかの問題点の一つに無償労働が考慮されていない(一般に人が労働に費やす合計時間の半分以上が実は無償労働なのだとか)ことがあり、そのため自宅で雇っていたハウスキーパーと結婚してそのまま結婚前と同様に(ただし無償で)家事をしてもらうと、GDPは減少してしまうんだそうです。あらら・・・。