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開店休業の記

今日の本

妖精のアイルランド

 「妖精のアイルランド」(下楠昌哉:著 平凡社)、読了。

 妖精をキーワードにしたアイルランドの近代文学紹介、という本です。登場をするのはW・B・イェイツ、ダグラス・ハイド、ブラム・ストーカー(妖精じゃなくて吸血鬼!)、オスカー・ワイルド、ラフカディオ・ハーン(妖精じゃなくて耳なし芳一?)、ジェームズ・ジョイスなど。コナン・ドイルもアイルランドの血を引いているとは知らなかったな。

 いきなり序章で、アイルランドの先住民族が古代ケルト族であったという、広く認知されている説に現在では疑問符がつけられているとあり、けっこうショック。

 ネタばらしになりますが、かつてのアイルランドにおいて「妖精」という存在は、耐え難い苦しみや理解しがたい出来事と対峙しなければならなくなった時に、その衝撃をやわらげ受け入れることができるようにするための知恵であった、というのが著者の見解で、その視点からアイルランド文学が語られていきます。

 アイルランドについてほとんど何も知らないという人が読んでおもしろいものだとは思わないですが、関心ある人ならなかなかユニークなテーマで興味深いのでは?