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開店休業の記

今日の本

日本思想全史

 「日本思想全史」(清水正之:著 筑摩書房)、読了。

 古代から第二次世界大戦後に至るまでの日本の思想史概説。

 日本史の中でも思想に焦点を絞った一般向けの書籍(新書です)というのはあまり見かけません。しかも一人物や一時代ではなく、通史として非常に長い期間を扱っているのも珍しいかと思います。

 紹介されている人物・思想の説明はそれぞれ数ページ程度と簡略なものですが、記録のあるほぼ全時代に言及するとなれば量的にいたしかたないところで、一般人としましては一々その原典にあたる時間も能力もないので、あまり知られていない思想の概略に触れることができるだけでもありがたいところ。日本の思想全体を大きな流れとしてとらえることができるのも通史のよいところですね。

 おもしろいと思ったのは、古代から中世にかけては仏教関係を除くと史書や文化に現れた思想の紹介が中心になっているところです。つまり、「思想」そのものを中心に掲げているような文献があんまりなかったっていうことになるかなと思いますが、そういや、この時代は僧侶以外で思想家といえそうな人って思いあたらんもんな・・・。「思想家」を生むには、ある程度条件が必要なんだろうなとか思ったり。