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開店休業の記

今日の音楽 ー 淡き南部の夜

Southern Nights

 ニューオーリンズからまた。Allen Toussaint です。1975年の "Southern Nights" 。

 この人は自身の作品でよりセッション・ピアニスト、あるいはプロデューサーとして知られていますね。有名どころにも多数参加。Dr. John や Bonnie Raitt 、The Band あたりはなんとなく納得できるんですが、Paul McCartney とか Paul Simon あたりはちょっと意外。そういや、以前取り上げた Browning Bryant のアルバムのプロデュースも彼でしたね。

 彼のピアノが演奏の中心に来るのは当然にしても、南部風を押し出してゴリゴリくるのでも黒人音楽的にネットリ迫るのでもなく、意外にサラリとした感触の音です(彼の歌声もいわゆるソウルフルなタイプではなく、知らなければ白人かと勘違いしそうです)。さすが混合文化のニューオーリンズ出身だけあって、音楽的引き出しの多さとセンスの良さは感じますが、それをひけらかす素振りは無し。粋、というのとも少し違うかな。一歩引いたところからにじみ出る良さというか。そういう人だから他人を支える役回りが合うのでしょうか。

 多様なニューオーリンズ音楽を幅広く集めたCDボックスセット "Doctors, Professors, Kings and Queens: The Big Ol' Box of New Orleans" にも収録されたタイトルトラックが、やはり一番。美しいピアノと音響処理を使ってあえて加工した歌声が絶妙に絡み、夏の夜の夢のような曲に仕上がっています。