
再発デラックス盤で R.E.M. 第3弾は1985年発表の3枚目 "Fables Of The Reconstruction" です。わたし、最初、このアルバムのタイトルは "Reconstruction Of The Fables" だって聞いたんだけどな・・・。たしか、メンバーもインタビューで「ほんとは "Reconstruction Of The Fables" にするつもりだったんだけど」って言ってたよな。何か手違いでもあったか? 当時、「玉手箱」っていう邦題をつけられてたっけ。
プロデューサーは Fairport Convention や Richard Thompson 翁でも知られる Joe Boyd で、英国ロンドンでレコーディングされました。
サスペンスドラマの主題歌になりそうな、ちょっとおどろおどろしい感じの冒頭 "Feeling Gravitys Pull" 。おおっ、"Driver 8" だっ! R.E.M. 的な重たい疾走感がかっちぇー。
と、好きな曲はあるし、本作はわたしが初めて買った R.E.M. のアルバムということで思い出深い作品なのですが、80年代の R.E.M. のオリジナルアルバムの中では一番評価は低いかな・・・。
どうも本国のファンの間でも同じらしくて、そのせいか、「 R.E.M. のメンバーも嫌っている」というようなことが言われていたそうです(当のメンバーの一人、Peter Buck はこのデラックス盤の解説でそれをはっきりと否定しています)。
曲単位のデキはともかく、アルバム全体ではモヤモヤっとしてすっきりしない音像になってしまったというか、迷いが感じられるというか、そんな印象を受けてしまいます。英国録音が裏目に出たか? 駄作・凡作というのとも違いますけどね。歯がゆいなぁ〜。
ボーナスCDはデモ曲集。まだまだ、これからつめていくという段階の曲ばかりで、装飾がなくて生っぽい分、お客が入っていないライブを聴いているようなおもしろさはありますが、これはマニア向けですね。
次作、1986年の "Lifes Rich Pageant" については旧盤でご紹介済みですが、これも再発デラックス盤を購入して聴きました。やっぱかっちぇー。

"Fables Of The Reconstruction" と比較すると、明らかに吹っ切れた音が鳴っています。モゴモゴしてて本国でも「何、歌ってんだかわかんねーよ」と言われていた Michael Stipe の歌声も、このへんで明瞭になってきました。IRS 所属時代のアルバムでは一番好きです。
ボーナスCDは "Fables Of The Reconstruction" のと同じく "The Athens Demos" というタイトルがつけられていますが、こちらの収録曲はかなり仕上がった感じのものが中心でデモというより別バージョン・未発表曲集という趣きです。
R.E.M. の曲ではあまり聴くことができないハモニカが印象的な "Bad Day" が良い! 良い曲なのにアルバムに入れてもらえなかったのは、他の曲と合わないからだろうか?
それとここまでのデラックス盤のボーナスCDには、すべて "Hyena" が収録されているのには何かワケでも?