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開店休業の記

昨日の映画+

昨日は1日、映画の日ということで、映画を観に行ってきました。しかも2本。

多言語対応

 朝から銀座へ。映画とは関係ありませんが、噂通り最近の銀座は外国人観光客が激増したようで、自動販売機が応急の多言語対応していました(笑)。

おみおくりの作法

 1本目は「おみおくりの作法」。2013年のイギリス・イタリア合作。

 英国ロンドン市ケニントン地区の民生係・ジョン・メイが主人公。

 彼の仕事は孤独死した人の身元を調査すること。遺体を引き取る近親者がいない場合などは葬儀まで行う。几帳面な彼はこの仕事を22年にわたって誠実に勤め、丹念に調査を行い、彼の他にだれも参列者のいない葬儀でも故人の宗教に配慮し弔辞まで書く。

 しかし、その仕事ぶりは非効率と判断され、ジョン・メイは人員整理の対象となってしまう。解雇前、最後の仕事となったのがある老いた男・ビリー・ストークの孤独死の件。たまたまビリーはジョン・メイが住むアパートの隣の棟の真向かいの部屋の住人だった。何か感じるものがあったジョン・メイはビリーの人生をたどるように、生前の故人を知る人々を訪ねていく・・・。

 冒頭から色彩に乏しいシーンが続き、「これはひょっとして退屈な映画なんでは」と危惧しちゃいました。実際、わたしが十代か二十代のころにこの映画を観たら多分、20分過ぎには爆睡して周囲のひんしゅくを買ってたでしょうね。で、感想は当然「なんじゃあ、このクソつまんねー映画は!」だったと思います。

 乏しいのは色彩だけじゃなくて、主人公の表情も。セリフも少ないし。音楽も最小限という感じ。全編日常性の連続といいたくなるような地味〜な映像ばかりです。

 しかし、観るうちにその地味〜な映像、チェックインしたばかりのビジネスホテルの一室みたいなジョン・メイの部屋、墓地、事務所、さえない住宅街、さえない人々、英国名物フィッシュ・アンド・チップスのお店、地方の駅、ジョン・メイのアルバム・・・、それらが丁寧に意味づけられて撮られていることが感じられてきて次第に物語に引きこまれていきました。

 人生と死という重いテーマを扱いながら控え目なユーモアもちりばめられていて、観ていてとても心地よかったです。また、あれほどドラマティックな要素に欠けた人物を演じていながら、その心の動きを観る者に感じさせた主演のエディ・マーサンも秀逸です。

 近年、日本でも孤独死が社会問題として取り上げられるようになりましたが、イギリスでも似たような状況があるようです。わたしも今のままの境遇でいけば孤独死となる可能性が少なからずあり、また、その日がそう遠いことではないと感じる年齢になりました。この映画を観るにはいい年齢だったのかもしれません。観終わった後に「いい映画だった・・・」と素直に思える稀な映画でした。

 お昼に神保町へ移動し、エチオピアというカレーのお店(カレーでなぜエチオピア?)で昼食。雨の日曜日の13時過ぎなのに行列が・・・。スパイスが効いていて、おいしかったですよ。

没後20年展 三原順 復活祭

 それから明治大学の米沢嘉博記念図書館へ行き、「没後20年展 三原順 復活祭」を観ました。

 もう20年も経ったのですね。展示はごくささやかなもので、20分もあれば観てしまえるようなものでしたが、楽しかったです。「はみだしっ子」のイメージアルバム(もちろんレコード!)のジャケット、久し振りに観て懐かしかったです。5月いっぱいまでの期間中、何度か展示替えがあるそうなのでまた行ってみようかな。

女神は二度微笑む

 さらに渋谷に移動して2本目の映画を観ました。「女神は二度微笑む」です。2012年のインドの作品。分類すればサスペンスでシリアス。インド映画だからって、突然出演者が踊り出したりはしません。

 インドの大都市・コルカタの地下鉄で毒ガスによる地下鉄無差別テロで多数の犠牲者が出た。犯人は逮捕されないまま2年が経過したコルカタに、大きなお腹を抱えた若い女性・ヴィディヤがやってきた。彼女は着いた足でそのまま地元の警察へ向かい、ロンドンからコルカタに赴任した夫と連絡がとれなくなったと訴える。人の好い警察官・ラナに協力してもらいながらヴィディヤは行方不明の夫を探すが、不可解なことに宿泊先にも勤務先にも出身校にすらその存在を示す記録がない。インドへの入国の記録さえないという。それでもヴィディヤは夫につながるかすかな情報を得ていくが、その一方でなぜか国家情報局が捜索に介入してきた上、関係者が次々と殺害されるという事態に・・・。

 いや〜、なんというか、「おみおくりの作法」の真逆というか(笑)。今回の自分の選択にびっくりです。

 頻繁に場面が変わり、えらく落ち着かない映画です。意図的なのか技術の問題なのか、妙にカメラがふらつくし。舞台のコルカタは喧騒の街で人がいっぱい! そしてとにかく展開が速い!

 多少、ご都合主義っぽいところもなくはないのですが、物語のテンポの良さのおかげで気になりません。そしてラストは「おおっ、そうきたかっ!」と思わせてくれるものでした。

 ふだん、こういう分野はほとんど観ないし、インド映画も初めてだったんですが、これはおもしろい。年間の映画制作本数と映画館観客総数で現在世界一というインドの勢いを感じます。

 何よりも主演のヴィディヤー・バーランがもう素っ敵なインド美人!! 映画館の大スクリーンで拝見できて眼福でございました(バカ)。

 これも観て正解。

 充実した日曜日でした(嬉)。