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開店休業の記

今日の音楽 ー 探検してみました・2

Browning Bryant

 以前、取り上げた Paul Parrish と同じく、名盤探検隊というシリーズの1枚です。

 ということで、今回も全然知らん人です。アメリカはサウス・カロライナ出身の Browning Bryant の1974年、セルフタイトルの作品です。

 解説によると、彼は60年代の終わりに少年アイドルシンガーとして人気を博した人だそうです。本作制作時には彼はまだ16歳。

 収録されたのはニューオリンズ。プロデューサーは Allen Toussaint で、11曲中8曲も彼の手によるもの(残り3曲が Browning Bryant の作)。そのせいか、10代歌手のアルバムとは思えないほどの水準で洗練された仕上りになっています。子どもっぽさはまったく感じられません。ハッタリっぽい派手さはないけど、曲調も多彩でさすがというところ。

 そして、とても70年代風(当たり前)でなんか懐かしいな。エコーのかけ方とか音の空間の感じとかコーラスとか。

 驚くのは Browning Bryant の歌のうまいこと! やや甘めで柔らかい声。曲によって繊細に歌い分けるあたり、とても16歳とは思えない表現力です。

 これもまた発掘されるべき良作と言えましょう。でも、Paul Parrish 同様、この人も押しの弱さを感じます。これにはるかに及ばない水準の作品であっても、一発芸的強烈さで記憶され続ける音楽家さんとは対極というか。なお本作以降、彼は表舞台から遠ざかっていったそうです。ポップ・ミュージックの世界は理不尽なものでございます。