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開店休業の記

今日の本

勝海舟

 「勝海舟」(松浦玲:著 筑摩書房)、読了。

 900ページを超える大部の勝海舟の伝記です。いやー、寝っ転がって読むには不向きです。腕が疲れた(笑)。

 本人による日記等の文書に関係者の記録を渉猟して、海舟の誕生からその死までを追っていきます。

 特徴的なのは、海舟がいつどんな行動をとっていたのかを考証しながら非常に丹念に記述している反面、家庭環境などは最低限の事しか書かれていません(例えば子が何人いてどういう人物だったとか、妻との関係とかいったことにはほとんど触れられていません)。その点、一般的な伝記とはかなり異なりますので注意が必要です。

 また、関係する人物がほとんど何の注釈もなく突然現れる(そりゃ西郷隆盛や徳川慶喜は説明不要かもしれませんが)し、その時々の政治状況についても既知であるという前提で書かれているようで、幕末維新の知識がある程度ある人でないと読むのが辛いものになりそうです。海舟の人生をドラマのように描いている本をお求めの方にも向かないでしょう。

 しかし、労作であることにまちがいはないでしょう。特にあまり動静が知られていない維新後の海舟についても詳述してあり、とても参考になりました。

 ちなみに著者によると、海舟は記録下手な上に話を作るところがあり、他の記録と突き合わせたりして事実を洗い出すのに苦労したとか。お疲れ様です。