
「にわかには信じられない遺伝子の不思議な物語」(サム・キーン:著 大田直子:訳 朝日新聞出版)、読了。
遺伝子研究の歴史、DNA はどのように進化してきたのか、遺伝子の奇妙な働き、そして遺伝学の未来、といった遺伝子と人間の関係についての一般向け科学書。「物語」とありますが、フィクションではありません。
これはおもしろいですね。単なる科学技術の解説にとどまらず、幅広い話題を取り上げて内容を豊かにしています。著者の他の本も読みたくなりました。
遺伝学の研究が「DNA がすべてを決める」というような「DNA 原理主義」から遺伝子と環境の相互作用の重視へと方向性が変わりつつあるという点は、今後も注意する必要がありそう。
しかし、一部の飼い主がネコを病的なまでに偏愛するのは、その人がトキソプラズマという微生物に感染していることが原因の可能性があるという話は、まさに「にわかには信じられない」ものでしたが、・・・ホント?