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開店休業の記

今日の本

五胡十六国

 「五胡十六国」(三﨑良章:著 東方書店)、読了。

 五胡十六国時代というのは中国史における時代区分の一つで、有名な三国時代が晋による統一で終わったものの、それから50年ほどで再び内乱状態に陥ってしまい、北魏が統一するまで華北を多数の政権が乱立した約150年を指します。本書はこの時代に焦点を絞った歴史概説書です。

 胡とは中国の大多数民族である漢族以外の民族のことで、つまり五つの少数民族が代わる代わる十六の国を建てた時代、ということになりますが、本書によれば五胡にしても十六国にしてもその数と中身は数えようによって変わり、あんまり正確なものではないとのこと(日本の坂東八平氏とか三百諸侯みたいな感じでしょうか)。

 そういう混乱期ですのでなかなか実態をとらえるのが難しく、そもそもこの時代を扱った一般向けの本も少ないため、貴重な一冊といえるのではないでしょうか。

 現れては消えていった多くの政権の紹介を中心としていますが、それほど厚い本ではないので一つにつき数ページ程度と詳細を知るにはとても十分とはいえないでしょうが、とにかくこの時代への手がかりとしては有用な本だと思います。