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開店休業の記

今日の本

永楽帝

 「永楽帝」(檀上寛:著 講談社)、読了。

 明朝第三代皇帝成祖永楽帝朱棣(しゅてい)の伝記です。ですが、全体の分量の4分の1にあたる最初の2章はいわゆる中華思想・華夷秩序と明朝の成立についての解説になっており、それを前提として永楽帝の人物像とその歴史的な位置付けを考えていくという構成になっています。

 中国史の中でも明という時代は日本では人気がなく手頃な本をあまり見かけないのですが、これはおもしろい。実の甥を打倒して皇帝の位を奪い、大船団を海外に派遣して(なんとアフリカまで到達したとか)朝貢を求め、遷都を強行し、自身は対モンゴル遠征の途上砂漠で亡くなるという強烈な生涯を送った人物の伝記ですしね。

 李氏朝鮮の記録を援用して中国内部の史料だけでは判然しないできごとの解明を試みている点も興味深いです。

 それにしてもこの時代の中国というのは苛烈です。わたしは永楽帝には仕えたくないなぁ・・・。