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開店休業の記

今日の本

狂気の偽装

 「狂気の偽装」(岩波明:著 新潮社)、読了。

 副題に「精神科医の臨床報告」とあるとおり、精神科医である著者が自身の現場での経験と様々な著作で報告された例を元に、とかく誤解されていることが多い「心の病」の実状について紹介するというもの。取り上げられているのはPTSD(心的外傷後ストレス障害)、うつ、境界例、統合失調症、物質関連障害など。

 一番印象に残ったのは、第一章でのPTSDについての解説。本来、PTSDとは戦争のような極限状態と関連した疾患で、「目の前に「死」の影を垣間見たものだけが、そう診断されるし、この病名を名乗る資格がある」とし、著者は「自称PTSDには数多く会ったが、自信を持ってPTSDと診断できる人はわずかしかいない」そうです。