今日1日は映画の日。ということで久しぶりに映画館に行ってきました。観たのは2011年のカナダの作品「ぼくたちのムッシュ・ラザール」です。
カナダ・モントリオールの小学校の教室で、女性教師が自殺した。対応に追われる学校に、アルジェリアからの移民という男・バシール・ラザールが突然現れ、故国で教職経験があるので補充の教員として採用してほしいと申し出る。結果的にラザールは採用され、動揺の残る生徒たちと向き合うことになるが・・・。
アメリカの影に隠れていますが、生徒たちの顔ぶれを見るとカナダもやはり移民大国であることが感じられます。
体罰はもちろん、生徒に直接触れるのもご法度、といった教育現場や移民・亡命者の受け入れ、現代の都市部で育つ子供たちの生育環境といった様々な問題が見え隠れするのですが、あくまでそれらは背景にとどまっているため、押し付けがましさはない代わりに焦点がぼやけてしまっている感じもします。加えて物語はケレン味がなく、特段のヤマもオチも無いまま(やろうと思えばできるお話であるにもかかわらず)進んでいく非常に地味な展開。絵的にも都市部の学校が舞台なので特に印象に残るものはありませんでした。
ということで、別段お薦めでも必見という映画でもないのですが、なぜか観終わった後の気分には心地良いものがありました。深刻な問題を扱っているのに、どこか柔らかでおっとりとした映画なのですね、変な形容ですが。たまにはこういうのも観てみるもんです。
映画「ぼくたちのムッシュ・ラザール」公式サイト
今日の映画 ー 「ヒューゴの不思議な発明」