「こころ」(夏目漱石:著)、読了。
おおっ、またも文豪! 夏目漱石の代表作の一つです。
読んでいてふと思うところがあったので調べてみると、やはりこれは新聞連載だったのですね。「次回をお楽しみに!」という話の引っ張り方(まあ、そこまで俗っぽくもないですけど)が、連載物という感じ。
大正3年の作品なのだそうです。現代では格式高い名作、という位置付けになってしまっているようですが、書かれたころの受け取られ方はどうだったんでしょうかね? 明治天皇死去とそれに続く乃木希典の殉死に触れているところがあるのですが、その事件の記憶がまだ鮮明に残っていたであろう当時の人々とわたしたちとでは、読んで受ける印象に相当温度差がありそうな気がします。
明治が過ぎ去って時世に取り残されていく前時代人の侘しさを背景にしつつ、書いていることが三角関係の恋の悩み。まあ、文豪ったら。
今日の青空文庫 ー 「夢十夜」