メニュー 蕭寥亭 検索

開店休業の記

今日の音楽 ー ギターおぢさん、働いてます

Strict Tempo!

 今回は Richard Thompson 翁の旧作を。1981年の "Strict Tempo!" です。

 これより古い翁の作品のほとんどが再発されているのにもかかわらず本作は最近まで廃盤になっていて入手困難だったのですが、昨年末にめでたく再発になりましてわたしも購入した次第。

 本作発表当時の翁は奥方であった Linda と活動していました(翌年に Richard And Linda Thompson の傑作とされる "Shoot Out The Lights" が発表されています)が、これは翁のソロ名義となっています。で、ドラムとピアノで Fairport Convention 時代からの仲間である Dave Mattacks が参加している以外は、翁が一人で各種の楽器を演奏しプロデュースもして作っちゃったものらしいです。全12曲中、9曲がアイルランド・英国の伝承曲、1曲がモロッコ(!)の伝承曲、1曲がジャズの巨匠 Duke Ellington で自作は1曲だけ、しかも全編インストゥルメンタル。

 と、まあ、いろいろ異色な作品のわけですが、中身はさすが翁、というものになっています。翁のおぢさんらしい太い声のボーカルは聴くことはできないのですが、その分、名人・翁のギターが十二分に堪能できます。

 キラキラした響きや歪ませ方が独特なあのエレクトリックの音がどことなく剽軽。同世代の英国ギタリストにはブルース寄りの人が多い(一つ年上でこの前取り上げた Rory Gallagher なんかはその典型)のに、翁のギターはブルース色が薄く、それが逆に特徴にもなっています。ロック的に弾きまくっていながら、伝承曲に良く合った演奏になっているのはさすが、翁ならでは。もちろんアコースティックも良いですぜ。

 蛇足ですが、上の画像はわたしがトリミングをドジったせいでこんなんになったんじゃありません。こういう形の変形紙ジャケなんです。

ジャケットを開いたところ

 念のため。